布ナプキンとは、布で作られた生理やおりもの対策などに使うナプキンです。
月経時等に、下着に装着して使用します。洗濯して何度も使います。
ボタン付きのもの、ハンカチ型など、様々な形があります。
生理だけでなくおりもの対策・尿漏れ対策・痔の対策・冷え対策など、様々な用途があります。
厚生労働省の定めによる生理用品の認可基準(色は白でないといけない。本体の10倍吸収しなければならない・・・など)には該当しないため、現在は雑貨として流通しています。
布ナプキンは生理でない時にこそ使ってほしい下着ですが、「生理の時しか使えない」と思われる方がまだまだたくさんおられます。そのあたたかさ、柔らかさ…是非試してみてください。
布ナプキン使用の心得
- 自分専用にしましょう
- こまめに替えましょう
- 洗うまでは他の人がふれないようにしましょう
- 自分でしっかり洗いましょう
- 洗濯後の水は排水口へそっと流しましょう
- 洗濯後は周辺をきれいにしましょう
- 太陽光でしっかり乾かしましょう
- 気になる症状が出た場合は使用をやめましょう
- 血液感染症の方は医師の指導のもとに使いましょう
布ナプキン協会 2010年3月8日
布ナプキンは、血液等の付着するものですから、注意して使わないと感染や炎症の原因となる恐れがあります。 sakura工房では、使い方の注意点を、看護師として、特にしっかりとお伝えしています。 初回購入時には、「布ナプキンのはじめ方 ガイドブック」を差し上げています。
「布ナプキンならなんでも安心!」ではありません。
きちんと学んでいる販売者から購入し、正しく使ってください。粗悪な素材の布ナプキンや、不衛生な布ナプキンを使用すると、身体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
せっかく使う布ナプキンですから、安全に、楽しく、あたたかく使ってください。
布ナプキンを初めて使った時の衝撃は今も覚えています。
本当に気持ちよくて、今まで使ってきたナプキンとの皮膚感覚の違いを実感しました。つけ置きしていたバケツの中が、とてもきれいな色なのにもびっくりしました。
看護師という仕事柄、血液はよく見るし、汚染物として、その取扱いには細心の注意を払っていました。こんなにきれいだったんだ、と、とても優しい気持ちになりました。
今は、布ナプキンにも慣れ、経血コントロールもできるようになり、身体の状態もよくわかるようになったので、ほぼ100%布ナプキン生活です。生理でない時も毎日使っています。
布ナプキンに出会う前は、生理痛も、頭痛もあったし、生理のたびにかゆみもありました。妊娠中も、毎回切迫と言われていました。出産もかなりの難産でした。産後も、全身の血流が悪かったのでしょう、授乳に大分苦労しました。
生理のたびに、いろいろな大きさの使い捨てナプキンをそろえ、痛みどめを常備していたころを思うと、当時の私にもっと早く、布ナプキンを教えてあげたいです。もっと早く使っていたら、妊娠も妊娠中も産後も、もっともっと快適に過ごせたのではないか、と思います。
たくさんの人に布ナプキンを
知ってもらいたい、使ってもらいたい
初潮前の女の子にも、布ナプキンを選択肢の一つにしてほしい。
併用で構わないから、使ってほしい。
妊娠前後の女性にも、働く女性にも、更年期の方にも、閉経後の方にも、布ナプキンで、あたたかくて、やさしい毎日を送ってもらいたい。
女性がニコニコ元気なら、その周りの人たちも自然と元気になっていきます。
女性は身体をあたためる必要があります。
布ナプキンは、女性の身体をあたためるのにぴったりのアイテムです。
布ナプキンを使い始めると、女性であることが誇らしくなります。楽しくなります。生きるために大切なことをいろいろと考えるきっかけになります。私も布ナプキンで人生が変わった一人です。
sakura工房 代表 小林エリ
生理用品市場は縮小しています
市販の紙ナプキンが発売されたのは1961年「アンネナプキン」という商品で、当時の女性に一気に普及したといわれています。まだ、普及して50年ほどしかたっていません。それまでの女性は生理の際、布や丸めた古紙などを使っていました。当時の女性は、排血コントロールができていたといわれています。
2013年の生理用品市場(推定)は、約840億円。生理対象人口は減少傾向にあり、生理用品の使用率は生理期間中の使用枚数が23〜24枚とほぼ横ばいの状況にあるため、市場縮小が続いています。
布ナプキンが日本で発売され始めたのは1994年と言われています。それから、通販や、専門店の登場、手作り市などで少しずつ知名度が上がってきています。
統計局の調べによると、現在の日本女性の人口のうち、生理があると思われる10〜50歳の人口は約3000万人です。布ナプキンを使っている人はそのうち5%程と2008年の調査で報告されています。
PMS(月経前症候群)などの月経トラブルは増加しています
PMS(月経前症候群)研究の第一人者である群馬大学医学部教授の松本清一氏によれば日本国内のPMS患者は1300万程度とのことです。日本国内に女性は6500万人程度、そのうち月経のある年齢と予測される15-49歳は2650万人程度ですので、2人に1人はPMSを体験しているのではないかと考えられます。PMSの原因にも冷えは大きく関係しているといわれています。そのほかの様々な女性特有の症状・疾患に悩む人も増加しています。
昔に比べ、出産回数が減ったことから女性が一生のうちに経験する月経の回数も約10倍の400-500回に増加しています。月経回数が増えるのですから、月経に関するトラブルも回数が増え、問題が重要視されるようになってきました。
布ナプキンが注目をあつめています
そんな中、布ナプキンの冷えに対する効果(布ナプキンにすることで、身体があたたまり、月経周期が安定したり、生理痛が軽減したりする方が多い)や、肌への影響、エコブーム、月経血コントロールなど関心が高まり、専門店が登場するほどまでになってきています。今後、ますます布ナプキンの注目は高まると考えます。
しかしながら、布ナプキンは血液が付着するものですから、正しく取り扱わないといろいろな危険性があります。そのため、ただ販売するだけでなく、きちんと取り扱いを説明できる販売者が求められるようになります。
また、布ナプキンは、生理の時だけでなく、毎日の生活の中で、おりもの・尿漏れ・冷えなどの対策として子どもから閉経後のご婦人まで使用できる下着です。すべての年代の女性が使うことができるということはまだあまり知られていません。おりものシートを利用したことのある女性は6割とも言われています。おりもの対策・冷え対策としての布ナプキンをもっと伝えていくことで、更に布ナプキンは注目されていくでしょう。